院長エッセイ~育む~
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植物は環境次第で育ち、花を咲かせ、実がなります。脳神経は植物のように育む必要があります。
日々の生活の中でヒントにして頂ければと思い、私自身の取り組み方などを綴っています。
2026年6月
AIには負けられない
昨今、人工知能(AI)の発展で、AIにとって代わられる職業も出始め、世界が変わっていくのが感じられます。医療現場も例外ではなく、賢いAIが徐々に幅を利かせてきています。教科書的な事柄には素早く答えてくれますので、私も時々利用しています。しかし、実際の日常診療は一人一人の条件が違いますので、やはり人間の力でしかできません。従って日々の研鑽が必要になります。
さてこのAIは何故ここまで短期間に進化しているのでしょうか。数年前まで小学生の計算問題も間違っていたのが、今では数学オリンピックで金メダルを取れるまでになっています。多くの方がAIの原理は分からずに利用されているようですが、少し説明します。その基本にあるのは高校数学です。ベクトル、三角関数、行列、微分積分、確率統計、さらに大学初年度の線形代数学、解析学などです。これらを複雑に駆使して、素早く計算しています。そしてビッグデータと呼ばれる非常に多くの情報を処理して、正解に限りなく近い答えを確率的に出しているのです。しかも昼夜休むことなく、働いて働いて働いているのです。そして、初期のころは間違いだらけだったのが、今では的確なブレーキを効かせる自動運転もできるようになり、さらに日々向上させています。
しかし、このAIにはできないことがあります。AIは人間の脳のはたらきのニューロンネットワークを真似たもので、視覚や聴覚の一部は真似できていますが、脳の最も大きな力である様々な複雑で繊細な物事を感じる力はありません。自然や人間同士のふれあいや出来事などで、日々刻々と変化する気分や体調などから、次の行動を判断決定していく力はありませんし、このデータはAIには入っていません。
ここからが、AIに負けないための方策です。つまり、日々職場や家庭や学校などで自分自身が感じ行動したことをデータとして捉えて、AIがやっているように分析していくのです。そしてこれを次に生かしていく、つまり経験値をあげて、より良い結果を出していこうとすることです。AIは失敗してもくよくよしていません。次々と問題に取り組んでいるのですから、私たちも見習うべきところは見習って、現実を乗り切っていきましょう。
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