植物は環境次第で育ち、花を咲かせ、実がなります。脳神経は植物のように育む必要があります。
日々の生活の中でヒントにして頂ければと思い、私自身の取り組み方などを綴っています。 

2026年10月

サイトカイン

 新型コロナの時期にサイトカインストームという言葉を聞かれ方もおられるかと思いますが、コロナ感染により、サイトカインと呼ばれる物質が体内で一気に大量放出され、多臓器不全に陥るという恐ろしい現象です。今回は病気の本質にも関わるサイトカインについてのお話です。

サイトカインは細胞同士の情報を伝達する微細なたんぱく質です。数百種類あると言われ、炎症性物質とも言われますが、炎症を起こすものと抑えるものがあります。サイトカインは白血球などの免疫細胞から多く生産されますが、血管の細胞など全身の細胞からも分泌されます。血管の内側の内皮細胞が持続した高血圧や高血糖や過度のアルコール摂取、喫煙などで傷つくと、サイトカインが出てマクロファージなどが集合して動脈硬化が進行します。肥満した内臓脂肪細胞の周囲にはサイトカインが集まり、全身の炎症を起こし様々な病気の元になります。過剰なサイトカインは血液脳関門を通り抜けて脳の中にも増えて、脳細胞を傷め、βアミロイドという認知症の原因物質が増えていきます。多くの病気が、サイトカインが関係した慢性炎症が元になります。

従いまして、このサイトカインを管理して慢性炎症をくい止めるにはどうしたらよいか、ということが病気の予防の本丸です。サイトカインは自律神経との関連もあります。交感神経の過緊張はサイトカインの過剰生産になります。これまで自律神経を整える方法なども紹介しましたが、最終的にはこのサイトカインを調整して健康状態を維持することが目的です。

消炎鎮痛剤(NSAIDs)はサイトカインが引き金となったプロスタグランジンという痛みと発熱の物質を抑える作用があります。慢性炎症の関節リウマチや潰瘍性大腸炎の薬はサイトカインの作用を抑えます。しかし病気に至らないためには、日常の生活の注意がとても大事になります。食事や睡眠、ストレス、運動など様々な活動がサイトカインの増減と関係しますので、自然の力に逆らわない無理のない生活を心がけましょう。

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