院長エッセイ~育む~
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植物は環境次第で育ち、花を咲かせ、実がなります。脳神経は植物のように育む必要があります。
日々の生活の中でヒントにして頂ければと思い、私自身の取り組み方などを綴っています。
2026年3月
勉強の方法 その一
先月の結論は、情緒を安定させて、感情に振り回されないためには、認知機能を高める学習が大切、ということでした。勉強嫌いには耳の痛くなる話でした。何事も、義務的強制的にやらされることは、満足感のない疲労だけが残ります。その逆に自ら取り組むことができれば道半ばでも疲れは少なく、ある時点で山頂からみる眺めのように晴れ晴れとなります。ではその道をどのように日々歩めばよいか、ということを考えてみましょう。
「勉強は何のためにするの」と子供に聞かれるという話があります。何と答えたらいいのでしょうか。それは子供だけではなく、大人になっても同じ疑問がある筈です。試験に受かるためでしょうか、試験がない場合はどうでしょうか。そこに何かの目的があることもあれば、漠然としていることもあります。いずれにも共通することは何かといわれたら、私は「必要だから」と答えます。
高校一年の数学で最初に学ぶ「必要十分条件」というものがあります。数学アレルギーの方も実は普段から何気に使っている方法です。買い物や料理などの家事から仕事まで無意識に使っています。例えば服を買いたい、という時に、まずどんな服が欲しいかを季節やサイズや色や型や値段などからイメージします。これが必要条件です。その上で、どの店でいつ、などこまごまと考えて一つに絞り、これが先に考えた必要条件から外れていなければ十分条件になり決定します。
それが仕事や勉強とどう結びつくのかすっきりしないと思いますが、やるべきことがあれば、まず何が必要か、不足なものは何かを考えます。余分なものはわきに置きます。そして物事を進める中で、それで十分かをチェックしながら結論や結果を出していきます。その繰り返しが仕事や勉強です。病気を診たり、手術を進めたりする上でも必須の基本的方法です。読書でも基本単語の習得は必要です。勉強するとは必要条件をたくさん揃え、引き出しを多く持つことです。眠るときには「余分なことは考えない」ことですが、余分な考えや雑音や明るさは眠るための必要条件にはないので外します。
失敗の原因の多くは必要条件が不足していることによります。他人や世間のせいにする前に冷静に不足した必要条件を考え、次にはしっかりそれを補充していけば多くの悩みが解決に向かいます。
平戸藩第9代藩主、松浦清山「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
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