院長エッセイ~育む~
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植物は環境次第で育ち、花を咲かせ、実がなります。脳神経は植物のように育む必要があります。
日々の生活の中でヒントにして頂ければと思い、私自身の取り組み方などを綴っています。
2024年11月
不安と期待
こうなったら嫌だなと思う不安と、こうなったら良いなと思う期待は、両極端のように思われますが、どちらもこらから起こる世界への思いであり、根本は同じことです。悪いことを考える時に不安が生じ、良くなるだろうと思う時に期待を持つ、ということですが、これらは感情的、主観的な思考です。日頃、不安要素が多い人を悲観的、期待要素が多い人を楽観的、と言っていいでしょう。結果が良ければ不安は無くなり、次は期待になり、結果が悪ければ期待は落胆となり、次は不安となります。期待が裏切られると、場合によっては怒りにもなります。スポーツ観戦でも贔屓のチームが負け、個人がミスをすると怒りを感じる人がいます。これが集団になると暴動にもなります。いずれも感情が大きく動く不安定な状態です。
初めて経験することについては誰しも不安があります。しかし同時に期待もあります。初めての所に旅行する際が分かり易いと思います。乗り物、道順、食べ物、宿、雰囲気、気候など、たくさんの不安と期待があります。不安を少なくして期待をより多く持つことで旅へのあこがれが大きくなります。一日も同様です。明日の事を考えると不安と期待が混在します。旅行のような例にヒントをもらい、根拠のない不安を少なくして根拠のある期待を持てれば、日々を快適に過ごすことができます。天候を読み、旅程を練って、その土地の歴史や物産などを調べ、どこでどのように過ごし、どのように楽しむかなどを予め考えれば、不安が期待に変わっていきます。
大脳辺縁系などの動物的脳による感情に振り回されない安定した心身は、情報を大脳で処理する力です。日本人は遺伝的にセロトニンの働きが弱くて、不安を感じる人が多いという説がありますが、行動を起こせばセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンの脳内三大物質がバランスよく機能して、不安は薄れます。
人生は長い旅(Life is a long journey)です。
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