院長エッセイ~育む~
- HOME
- 院長エッセイ~育む~
植物は環境次第で育ち、花を咲かせ、実がなります。脳神経は植物のように育む必要があります。
日々の生活の中でヒントにして頂ければと思い、私自身の取り組み方などを綴っています。
2026年11月
活性酸素
先月、炎症物質のサイトカインをご紹介しました。今月は、もう一つの炎症に大きく関係する物質、活性酸素のお話です。活性酸素はよく聞く言葉ですが、悪そうだ、という事はイメージとしてあると思いますが、どこがどのように、となるとあやふやだと思います。「野菜は食物繊維を含むので摂らなきゃ」と思うけど、それ以上の効能はよくわからない、という方、話はそこまで行きますので、最初の基礎を我慢して読んでください。
活性酸素には。スーパーオキシド、過酸化水素、一重項酸素、ヒドロキシラジカルの4種類があります。このうちヒドロキシラジカルが最も強く細胞を攻撃しますが、その発生を簡単に説明します。生命維持に絶対的に必要な酸素ですが、体内に入った酸素のおよそ2%が活性酸素になります。物質は2個の電子がペアを組んで安定しています。活性酸素は電子が1個で孤立した状態になり周りの物質から強引に電子を奪い取ろうとする、いわば、わがままで乱暴な酸素になったものです。それもスーパーオキシド、過酸化水素までは、増えすぎなければ、細菌やウィルスなどの悪者から電子を奪い取り、やっつけてくれる頼りになる奴なのですが、ヒドロキシラジカルになると、周りの細胞など大事なところからも電子を奪う、手の付けられない厄介者になるというわけです。ヒドロキシラジカルは水素と酸素が合体(ヒドロキシ)したものです。水は同じ合体でも水素が2個ですが、ヒドロキシは水素が1個のため酸素分の電子1個が宙ぶらりんになった状態です。この電子が瞬時に周りから電子を奪って安定しようとするため、奪われた方は傷つくということになります。
そこで、善良なスーパーオキシドを適度に保ちつつ、悪玉のヒドロキシラジカルを作らせない対策が必要です。そこで、緑黄色野菜の色素が効くという話です。緑黄色の色素成分の一つがポリフェノールです。これには複数のフェノール基(-OH)がありますが、これが活性酸素に積極的に電子を与えます。そして自身は無害な物質に安定します。細胞の変わり身になってくれるのです。また色素はサイトカインを作るたんぱく質にもくっついて、その産生を押さえます。トマト色素のリコピンやニンジン色素のβ―カロテンは活性酸素のエネルギーを奪い取ります。淡色野菜の代表はダイコンです。刺身のつま、でおなじみですが、これにも意味があります。ビタミンCの抗酸化作用と千切りでイソチオシアネートと言われる抗炎症、抗菌成分が出て生魚を保護します。消化酵素がたっぷり含まれており、食べると胃腸を助けてくれます。キャベツも淡色野菜で、ダイコンと同じアブラナ科で、キャベツも噛むとイソチオシアネートが出ますし、ビタミンCも豊富で、キャベジンといわれる胃腸の粘膜を保護し、胃散をコントロールする成分があります。その他にも多くの野菜たちが独自の働きをしています。トマト、ブロッコリー、ほうれん草、ニンジン、ダイコンたちに感謝して頂きましょう。
発酵食品、青魚、キノコ、海藻などそれぞれが、活性酸素を抑える抗酸化作用機能を持ち合わせています。日々の食事の見方が変わってくると思いませんか。
バックナンバー
過去に掲載されたエッセイ&語録をご覧になれます。
ご覧になりたい月をクリックしてください。
2026年
2025年
2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年




