院長エッセイ~育む~
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植物は環境次第で育ち、花を咲かせ、実がなります。脳神経は植物のように育む必要があります。
日々の生活の中でヒントにして頂ければと思い、私自身の取り組み方などを綴っています。
2026年7月
今が始まり
六月は田植えの時期で、ここを疎かにすると秋の実りは得られませんので、基礎固めの大事な月でしたが、基礎を確認することは常に必要なことです。
物事は最初と最後が肝心ですが、その途中の過程も大事です。手術では執刀から終刀まで気が抜けませんが、一瞬一瞬が始まり、という気持ちで基本を確認して取り組みます。集中力を切らさないために、途中も始まり、と考えてやっています。
先日、大阪での学会に参加しましたが、帰りの休日に須磨、明石、姫路の歴史街道を歩んでみました。源氏物語、平家物語、百人一首などの宝庫です。この中で源義経が本陣を構えた所で、真言宗須磨寺派本山の須磨寺を訪れました。祇園精舎の鐘の声、の平家物語の舞台でもありますが、平家物語は、すべてのものは絶えず変化して、同じ状態に留まることはないということを教えています。これは実は脳の状態も表しています。
脳の神経細胞同士のつながりは、固定されていません。一瞬たりとも留まることなく、新しく作り変えられています。先月お話しましたAIはこの脳をモデルに作られています。脳内物質の中でも特にドーパミンがその推進役を担っています。このドーパミンは何か希望をもって始める時に最大に分泌され、達成したときには急激に減少します。そしてその量には限りもありますので、有効活用が必要です。スマホなどで楽しんでいるときにも多く出ますが、使いすぎると肝心な時に不足して、やる気が起きなくなりますので注意が必要です。
物事を遂行する時に、モチベーションを維持するには、ドーパミンが適量持続的に作用すればいいのです。そのために瞬間々々を始まりと考えることで、持続微量点滴のようにドーパミンが作用して、集中力を維持できることになります。余談になりますが、セロトニンでブレーキを、アドレナリンでアクセルを効かせることもあります。
この瞬間が始まり、ということは物理的、化学的、数学的、哲学的にも証明、考察されていますが、このことは次の機会にお話しします。
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