院長エッセイ~育む~
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植物は環境次第で育ち、花を咲かせ、実がなります。脳神経は植物のように育む必要があります。
日々の生活の中でヒントにして頂ければと思い、私自身の取り組み方などを綴っています。
2025年1月
やりたい事とやるべき事
明けましておめでとうございます。
蛇年が始まりましたが、蛇は脱皮を繰り返すことから、復活と再生の生命力の象徴として古来より縁起のいいものとされてきました。また、医学ではギリシャ神話の名医アスクレピオスが持つ蛇が巻き付いた杖がシンボルになっています。これも蛇が脱皮して、新たな瑞々しい姿になることから治癒再生を表しています。従いまして、これまでの出来事も今年は新規まき直しのチャンスの年です。
さて、どこから始めましょうか、ということが本題です。近頃は好きな事をやりなさい、やりたい事をやればいい、自分に合った仕事を見つけなさい、などの一見優し気な言葉をよく耳にします。果たしてそんな事が見つかるのでしょうか。それとは逆に、つべこべ言わずにやれ、いらぬことを考えずにやれ、という乱暴な言葉もあります。これは、詰まるところ、やりたい事とやるべき事を想定した問答です。
では、この二つ、どちらを優先したらいいのでしょう。時と場合によりますが、基本はやるべき事を優先する方がうまくいきます。やりたい事は好き嫌いの対象で、幅があり迷いが生じますが、やるべき事は点的、直線的であまり悩みません。目標点を定めれば、後は一直線です。目標点はその場の条件や状況を読んで決めていきます。好き嫌いは本能的な深部の脳が主役ですが、課題を見つけて解決していくことは、感性も必要ですが、大脳が主役になります。
十のやるべきことを行なえば、一のやりたいことが見つかります。やりたい事を見つけようとしても、手で空をつかむようにいつまでも得る事はできません。日常のすべてのことで、まずやるべきことを心掛ければ、なんでもやりたいことに繋がります。
今年を脱皮の年にするために、やるべき事を優先しましょう。
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